最終更新日 2024年10月16日

電力は、人間の生活に欠かすことがないエネルギーです。
もし電力が使えなくなれば社会生活はストップしますから、安定して供給できる体制を整えておかなければいけません。
電力を安定して供給するために、夢のエネルギーと言われてきたがの原子力です。
石炭や石油を使って発電する火力は、二酸化炭素を発生させるため環境に優しくありません。
また石炭や石油、天然ガスなどの資源は、日本では産出ほぼ産出できない状態で外国に頼るしかありません。
大切なエネルギーを外国に依存してしまうと、情勢の悪化や価格の上昇などの悪影響も受けやすくなり、電力の安定供給にも大きな問題が生じてしまうでしょう。

日本で原子力に注力していた理由

水力発電に関しても日本では難しい面が多々あるので、日本では古くから原子力に注力してきました。
日本で原子力に注力していた理由は、クリーンなエネルギーであることと外国に依存しなくて良いからでした。
原子力発電は火力とは違い電力を作るときに二酸化炭素を発生させないので、地球環境に悪影響を及ぼしません。
また海外への依存も石油や石炭に比べたら低くなので、安定供給の面でも優れているとされ、1960年代に日本で初めて作られてから全国各地に相次いで発電所が建てられました。
しかし天然資源に乏しい日本にとっては夢のエネルギーだった原子力も、2011年に発生した東日本大震災で評価は一変します。

東日本大震災による津波で福島第一原発で事故が発生し、制御不能に陥り放射能が外部に漏れ出していまいました。 するとこれまで政府や電力会社などの推進派が伝えていた魅力以上の問題が相次いで発生し、人々はそのデメリットについて深く学ぶことになります。アトックスの主な事業・サービス内容/強み
事故なく安定的に運転されていれば夢のエネルギーですが、少しでも事故が起きると周囲には放射能汚染が広がり、環境に深刻な影響を与えてしまいます。
そのため発電所周辺は人が住めない土地になってしまい、避難をしなければいけません。
東日本大震災から10年以上経過した現在でも汚染は完璧に取り除くことはできず、未だ人が住めない地域も多くあります。

一度建設された原子力発電所は廃炉にするのも大変

土地の汚染は人が住めなくなることだけではなく、地域で採れる食材にも悪影響を及ぼし農作物や海産物は風評被害に苦しめられていますから、事故前に盛んに言われていた環境に優しいクリーンなエネルギーと言った評判は、推進派の嘘だったと言っても過言ではないほどです。
また一度建設された原子力発電所は、廃炉にするのも大変です。
放射能汚染が広がらないように事故処理を進めつつ、建物を解体していかなければいけないので、廃炉が完了するまで50年以上はかかると言われています。
スムーズに作業が進んでも40年から50年、実際には想定外の出来事が続いてさらに延び延びになっていますから、いつになったら終わるのか先はまだまだ見通せない状態と言えるでしょう。
その他にも放射能に汚染された水の扱いなど問題は山積みなので、福島第一原発事故の処理は終わりのない作業です。
他の正常に運転されている原子力発電所も、建設から40年以上経過し寿命が近づいていますから、廃炉に関わる問題は今後も続いていくと考えられます。
しかし廃炉作業に終りが見えないとされているのは、現在の技術力では限界があるからです。

原子力に代わる新しいエネルギーの普及

原子力発電に関わってきた多くの企業では、常に最新技術の研究に取り組んでいます。
現在も新しい技術を官民一体となり開発していますから、そうした技術が実用化されれば廃炉作業での大きな問題も解決できるでしょう。
問題が解決すれば一気に作業が進む可能性があるおで、関係企業には頑張ってもらうしかありません。
またそれと同時に進めておきたいのは、原子力に代わる新しいエネルギーの普及です。
原子力発電は大きな問題を抱えていることが明るみになり、それは大地震が頻発している日本で無視できないものです。
どれだけ安全性を高めても想定外の大地震が起きて事故が起きれば、また取り返しのつかない状態を繰り返してしまいます。
そのためいま社会から求められているのは、本当に安全で安定供給できるエネルギーです。
福島第一原発事故の直後は、太陽光発電が注目を集めました。
その結果日本でも大規模な太陽光発電所が作られましたが、10年近く経った現在ではさまざまなトラブルも起きています。
流行した当時から言われていましたが、電力の安定供給という点でも太陽光発電は完璧ではありません。

まとめ

電力というエネルギーはなくなると社会活動に大きな悪影響を及ぼし深刻なダメージを与えかねないので、いっときのブームに流されるのではなく、専門家がさまざまな角度から検証し国の政策に反映させていくべきでしょう。
理想とされるのは地球の環境に優しい太陽光や風力などを使った再生可能エネルギーですが、すぐにそれだけですべてを賄うこともできないので、普及が進むまでは安全性を確保した原子力発電や火力発電を組み合わせるのがベストとされています。